木工テキスト

ものづくりの先

オリジナルであることだけでは・・・

ぼくらは、毎日毎日、木屑にまみれて家具を作っている。年賀状にも「相変わらず、木屑にまみれて木工しています」と一言添えてる。1日の終わり、手は汚れていて、作業着のひざのところには塗料のシミができている。

触って、その出来を判断して、満足するような産業に従事していると、ときどき未来を描けなくなることがもちろんある。

工場長はそんなぼくの弱気を全く寄せ付けない勢いでオリジナルの家具を産み続け、副工場は物理法則を無視するかのように素早くそれを形にしていく。
材料は海外から輸入された木材だ。価格は高騰している。でも、この二人なら生き残っていく未来が見えるし、そこについて行きたいとは思う。でも、自分はなにもしていないのでは、といった答えを求めていない疑問を、ときどきだけど抱いてしまうのもの事実だ。
ぼくなりに、このさきのものづくりを成立させなければとやっぱり思う。

確かなことは、この椅子を部屋に置きたいと思わせることがゴールだとするなら、価格や効率以外のことをかんがえなければいけない、ということ。その二つを極めながらも、自分の家具作りをきちんと成立させる魅力を作り続けなくてはならない。
それはかっこよさかもしれない。座り心地かもしれない。作り方かもしれない。材料かもしれない。地域との連携かもしれないし、売り方かもしれない。

木工を続けるためならなんだってやる覚悟はあるけれど、何をやったら良いのか・・・

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