木工の難しさ

木材は動くからこそ難しくて楽しい

木工の難しさは、なんといっても、材料が動くことだろう。動く、つまり反ったり、縮んだり、膨張したりする。幅100ミリの無垢材のテーブルだったら、環境が変わって、クーラーがすごくきいている部屋などに置かれると、5ミリくらい縮んだりする。
加工中もやっぱり動くので、その動きを読んで、きっと縮むからすこし幅広めで作ったりするか、もしくは、動いてもなんとかなるように逃げて作る。どんなに精度よく加工をしても、変形してしまうので、あるレベルより細かい精度を求めても仕方ない、意味がないという面が、木工にはある。

ただ、どこにその境界を置くかは人それぞれで、形になればいいんだという加工をする人もいるし、うちの副長のように、ものすごく細かいところまでこだわる人もいる。
副長はとにかく細かい人で、加工の精度が悪くて隙間ができたりするのが何よりも嫌らしく、材料の動きを読んで作業をしている。おれはちょっと病気だし変態だと自分で言っていたけれど、真似ができないくらい細かい。
木工よりも機械工作とかの方が向いているのではないかと思うけれど、どうも、その動くところにこそ、木工の魅力を感じているらしい。パズルのように、いろいろな可能性を考えて加工をすすめるのがたまらないみたいだ。