木工のコツ

抽象的すぎる木工のコツだな……

今日、木工のコツをひとつ掴んだ気がした。
それは、道具や材料を置く動作に注目すると、全体的に上手くいく、ということだ。
今日の仕事中に思いついたことだから、まったく検証がされていないし、こんなへたっぴいなぼくが、これが木工のコツですと言い切るのはおこがましいのだけれど、たぶん、間違っていない。

どういうことかというと、木工というのは、何かを手に取り、作業をして、その何かを置く、その繰り返しだ。大量生産の工場でも、うちのようなほとんど特注の木工場でもそれは変わらない。
そのものを持ち上げ、置く動作の中の、置く方の動作に意識的になることが、木工のコツなのだ。置く動作に意識的になるということをもっと具体的に言えば、置く位置に敏感になるということだ。

もっと具体的に言えば、その材料は今そこに置くことが正しいのか? と疑うことが、木工のコツなのだ。
同じ材料が10あったら、その材料をきちんとスミをそろえて置く。
大事なポイントは、綺麗に置かれているから立派だ、素晴らしいなんて話では全然ないということ。そんな見た目だけの、表面上だけの話ではなくて、自分がコントロールしている感覚が木工に集中する入り口になってくれるといったら本質的な説明になるかもしれない。

いや、きっとこんな説明ではよく伝わらないだろうな。でも、ぼくは今日確信したのだ。この意識的に道具を、材料を置くということを続けていけば、木工が上手くなれると。自分が今使ったばかりのノコギリを、どこに置くか、きっと三分後にもう一度使うから、少し手前に置こう、まっすぐ置こう、傷つけたらまずいから、材料からもう少し離して置こう。でも落ちたら刃が痛むからもう少し内側に置こう。工場長の集中をそいだら悪いから、そっと音をたてないように置こう。そういう細かい判断の詰まった『置き』ができる職人になろうと思ったのだ。