木工の音

瞳孔を開くように、耳も敏感になる

木工は、音が出ます。時には耳が痛くなるくらいの大きさで、耳栓やイヤーマフは欠かせません。トリマーなどの電動工具はギュルギュルの高音を出しますし、丸ノコ系の木工機械はキーンと寒くなるような音を出します。
工場でそれぞれの作業者がたてる音も違います。工場長は材料をパンっと気持ち良い音を立てて置きますし、岩田さんはまったく音を立てずに置きます。

使用しないと工場長に注意されるので、耳栓をつけて仕事をしてますが、ぼくは、木工の音はたいていゆるせるというか、好きです。気になりません。
けっこう音をたよりに仕事をしている部分もあって、イヤーマフなんかしていると、ちょっとした異音に気づけず、失敗したり、危ない目にあったりします。極端な話、あ、刃物回ってたんだ、とスイッチが入った機械に無造作に手を伸ばしそうになったりします。
木工の音といえば、やはり、玄翁で鑿の頭をたたく音でしょうか。これは、本当に気持ちがいい。鉋の刃の出方を調整するときの音なんてたまらないです。木工をやっていると、耳の敏感さのレベルを使い分けられるようになります。大事な時は耳の感度を上げていますし、そんなときに後ろから話しかけられると、本当に飛び上がるようにびっくりしてしまいます。これは工場長たちに話しかけても同じです。瞳孔が目一杯開いたときにライトを向けらるようなものです。申し訳ないので、いつも前から、視界に入ってから、話しかけるようにしています。